島村由希

島村由希のアトリエ「生活スペースの一部をアトリエに」-アーティストインタビュー-

今回は、素敵なアトリエでアーティスト活動をされている「島村由希」さんに、インタビューをさせていただきました。

これからアトリエを持ちたいと考えているアーティストの方や作家さんのファンの方に、素敵な作品が生まれるアトリエをご紹介します。

素直に、誠実に、楽しんで描きたい。抽象画家「島村由希

島村由希
抽象画家 島村由希

島村由希/ Yuki Shimamura

画家/絵画講師

文星芸術大学油画専攻を卒業後、画家・絵画講師として活動しています。
制作の際に強く思うことは、今、素直に描けるものを、誠実に、そしてめいっぱい楽しんで描きたいということ。
今までに見てきた景色や、聞いてきた音楽が、私を通して違った形でキャンバス上に現れてくるように感じます。
格好つけずに素直に表現するのはとても難しいことですが、それを目指し、自然体で生まれた作品が、誰かの心に寄り添える物である事を願っています。
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誰かの心に寄り添える作品作り

島村由希
『区切り』

Q. アトリエの歴史、のようなものがあれば教えてください。

しっかり「アトリエ」と呼べるような専用の部屋はずっとありません。今も生活スペースの一部が作業スペースになっており、私はそれをアトリエと呼んでいます。
この形の「アトリエ」は、作家活動を始める前からありました。
一番最初は、おそらく学生時代の勉強机です。
一番しっかり「アトリエ」だったのは、大学のアトリエですね。

Q. アトリエはどのくらいの広さですか?

八畳の和室のうち半分をアトリエとしています。

アトリエ
部屋の半分がアトリエ

Q. アトリエは自宅内ですか?自宅外ですか?また、その理由を教えてください。

自宅内です。 外に借りるのにはお金が掛かるというのが一番の理由ですが、自宅内にあることで、描くまでのハードルがぐっと下がり、制作できる時間が増えたため、結果的に私にはとても合っていて、良い形だなと感じています。

島村由希
『遠くへ響く』

Q. アトリエに置いてある家具、道具など教えてください。

普段は画材とキャンバス・イーゼルのみです。注文が入ると梱包作業もこの場所で行うので、もう少し散らかります(笑)

梱包
アトリエ内で梱包作業

Q. アトリエをもちたい、と思ったきっかけ、理由を教えてください。

それまでは部屋の隅で、描く時だけ画材を広げ、描き終わったら引き出しに片づける…という感じでした。 そうしないと布団が敷けないような小さい部屋だったので。 引っ越しを機に、どうせ毎日描くなら使うものだけでも出しっぱなしにして無駄な片づけの時間を減らし、その分制作に充てたいと思いました。 出しっぱなしでも、使っている物だとほこりもたまらないんですね。

島村由希
島村由希WEB作品集
『道になる』F30号 近美関東美術展 近美理事長賞

Q. アトリエを持って良かった点、悪かった点は何ですか?

<良かった点>
「アトリエを持っているからには描かないといけない!」と思える事、描くまでのハードルが下がった事が良かったと思います。

<悪かった点>
悪かった点はあまりありませんが、強いて言えば生活スペースが狭くなる事でしょうか。 私にとってはアトリエを持てるプラスに比べたらとても些細な事です。

Q. やはりアトリエがあると作家活動が捗りますか?

とくにアトリエが無い期間を長く経験してきたので、その反動もあり今は描きまくっています。 もしかしたら、最初から立派なアトリエがあったらこうはなっていなかったかもしれません。

制作に集中できる環境づくり。使うものだけ置く。

画材

Q. アトリエのこだわりを教えてください。

最近心がけていることは「使う物だけ置く」ことです。 それでも画材や描き途中の絵が増えてしまうのですが、できる限り、制作中は視界のノイズを減らしたいと思っています。

Q. アトリエを作る際に苦労した点は何ですか?

場所の確保です。 夫と二人暮らしなのですが、どの部屋をどう使うか、話しながら決めていきました。 お互いにその時々で必要な物が変わると思うので、今後部屋が変わったり、使い方が変わったりすることもあるかもしれません。 お互いなるべくストレスをためずに必要な事に集中できるよう、家を上手に使っていきたいです。

『みつける』

Q. アトリエを作る際、「こんなアトリエにしたい」というイメージはありましたか?

あまりイメージはありませんでした。とにかく描ける場所を確保できるだけで本当に嬉しかったです。

Q. アトリエの維持で大変なこと(メンテナンスや維持費)はなんですか?

アトリエだから、という大変さはあまり思いつきません。 メンテナンスといえば他の部屋と同じく、清潔に保つこと、とかそのくらいでしょうか。

アトリエで生まれる作品

島村由希
『楽しみをみつける』

Q. 今後アトリエの改善をするなら何をしたいですか?

現在、和室なので床は畳、壁は暗い色の砂壁なんですが、床は掃除がしやすいようにフローリングに、壁は部屋が明るくなるように白く…できたらもっと良いなあと思っています。

Q. アトリエでのハプニングや、思い出深いエピソードなどあればお願いします。

スペースが広がった事で、大きな作品も描けるようになりましたが、慣れない大きいキャンバスの扱いが難しくて、運ぶ時に近くにある画材を軒並み倒したり、天井や壁にぶつけたり、キャンバスを倒して近くにあったスマホを絵具まみれにさせたり、そんなハプニングがありました。

島村由希

Q. 最後に、これからアトリエを構えようと思っている作家に一言お願いします。  

私自身はアトリエを作って、制作できる時間が増えたこと、とっても良かったと思っています。 良い作品を作るために必要だと思うことは、できる事から少しずつでもやっていきたいものですよね。 私も少しずつ改良していきながら、更に快適なアトリエ、そしてより良い作品を目指します!

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オンラインショップ

出典:shimayukiart

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絵画教室

出典: 島村由希 絵画教室

さいたま市内にある小さな絵画教室です。
4才~大人の方まで描くことがお好きな方へ
現役画家の講師が丁寧に作品制作のお手伝いをさせていただきます 。
出典: 島村由希 絵画教室

【抽象画】F30号、描き始めました!【メイキング】

2020年度近美関東美術展にて「理事長賞」、同時展示の春季展では、「大賞」を受賞されました。
島村さんならではの優しい作品の数々は、これからも見る人それぞれの感性のままに、魅了していくことでしょう。