【アーティストが受けたいお金の授業⑤】会計の基礎-中小企業診断士・横田優斗が教える特別授業-

【アーティストが受けたいお金の授業⑤】会計の基礎Part1-中小企業診断士・横田優斗が教える特別授業-

こんにちは。中小企業診断士の横田優斗と申します。

普段はTwitterにて中小企業・フリーランス・会社員でも使えるような補助金などの支援策について図解をしています。おかげ様で、現在1,280名以上の皆様にフォローをいただいております。


横田優斗
中小企業診断士 横田優斗

中小企業診断士 横田優斗

2020年7月中小企業診断士登録。補助金コンサルタントとして補助金に関する支援をしています。また、TwitterやLINEにて補助金の情報を発信中。

今回は、個人でやっていくには最低限知っておきたい会計の基礎についてお話していきたいと思います。

経営は3つの取引の繰り返し


会計だ簿記だなんて難しい…そう思うかもしれませんが、経営は基本的には3つの取引を繰り返しているだけです。

●お金を集める
経営をしていく上で、まずはお金を用意しないといけません。
もともと自分の持っていた貯金であったり、銀行からお金を借りたり、補助金をもらったり…。様々な手段でお金を用意します。
クレジットカードで支払って、支払いを後にするといったことも、広い意味ではお金を集めることに含まれます。

●物を仕入れる・環境整備
そうやって集めたお金で、自分の商品やサービスを売り出すために必要な物を仕入れたり、環境を整備したりします。
材料や道具、作業をする部屋・インターネット環境に関わる費用、さらには手伝ってくれる人材や従業員などへの給料…
集めたお金で経費を支払い、商品やサービスを売れる状態にします。

●収益を得る
商品やサービスを売って、売上を得る。得た売上(お金)を運用し、利益を得る。そうして集めたお金で、またさらに仕入れをしたり、環境を改善したりとしていく。そうやってビジネスを回す・大きくしていくのです。

以上が基本的な経営の流れです。

損益計算書と貸借対照表

①お金をあつめる
②物を仕入れる・環境を整備
③収益を得る

以上が経営をしていく中で、繰り返していく3つの取引です。
そこを理解したら、「簿記」に関する知識をつけていきましょう。

会社や個人事業主の決算に必要な書類として様々ありますが、経営状況を把握するものとして重要なものが2つあります。
それが「損益計算書」「貸借対照表」です。
経理を自分でやらないにしても、この2つを理解しておくと経営者としての力はUPするでしょう。

損益計算書


損益計算書とは「損」と「益」とあるように、一定期間の損益つまりは収支を示したものです。
どれだけ収益が出て、どれだけ費用がかかったのか。その結果、収支はどうなったのか?それを理解するものが損益計算書です。

貸借対照表


もう1つが貸借対照表。
こちらは資産の出処や資産の保有形態について記してあるものです。
なかなか理解が難しいと思いますので説明します。

すでに説明をしました経営に関する3つの取引において
「①お金をあつめる」に関するものが、図右側の「負債」と「純資産」です。

■負債
負債は、返すべきお金です。銀行から借りたお金や未払の費用など、返すべきお金がどれくらいあるのかを負債の欄に記載します。

■純資産
純資産は、逆に返さなくて良いお金です。自社・自身で貯めたお金や、株主などから出資を受けたお金などです。
※株主からの出資は、出資金を元手に発生する利益を配当するような形です。

そして負債・純資産を合わせた金額が、現在持っている資産の総額になります(総資産)。

■資産
貸借対照表の左側には、資産の保有形態を示します。

お金を集めるにあたって、
銀行からお金を借りる
株主からお金を借りる
収益から内部留保にする
など様々な方法があることがわかりました。

ただ、お金を集めただけではビジネスになりません。仕入を行ったり、環境を整備したり、ビジネスに必要な物を揃える必要があります。

もちろん様々な取引に備え、現金で保有しておく必要もあります。
商品として在庫となっている場合もあります。
事務所に利用している建物、社用車など固定資産もあるでしょう。
その在り方を示すのが左側の部分、「資産」なのです。

右側と左側は必ず一致する


お金の出所を示した「負債」・「純資産」。
そのお金を資産として保有形態を示したのが「資産」。
なので、右側と左側の金額は必ず一致するのです。

例えば銀行から200万円を借りて(負債)
そのうち100万円を現金で所持(資産)
残り100万円で車を購入し所持(資産)
しているような感じです。
一致しているでしょう。

2つの側面から取引を記すのが複式簿記


以上、「損益計算書」と「貸借対照表」について説明してきました。

収益と費用を見る、損益計算書
負債・純資産・資産を見る貸借対照表。

この5つの項目の増減を示したのが簿記です。
そして、各項目の増減を2つの側面から記すのが「複式簿記」です。
「2つの側面から」と言われると難しく感じてしまいますが、取引が行われた際には必ず2つの項目が絡んできます。例えばどんな取引が考えられるでしょうか?

■銀行からお金を借りる
銀行からお金を借りると、現金が増えますよね。資産の増加です。
一方でお金を借りたからには返さないといけない。銀行から借りたお金は負債でしたよね。なので負債も増加します。
資産の増加と負債の増加が起きています。

■銀行にお金を返す
先程の逆パターンですね。
銀行にお金を返すので、現金が減ります。一方でお金を返したことにより負債も減ります。
資産の減少と負債の減少が起きています。

■商品が売れる
商品が売れた場合、お客様が支払いをするので、現金であったりクレジットカードならば後程の入金になったりと、資産が増加するのはわかりますね。
一方で、「損益計算書」に関わる部分として、売上つまりは収益としても認識します。
資産の増加と収益の増加が起きています。

■原材料を仕入れる
原材料を仕入れると、現金で仕入れた場合にはもちろん現金が減りますよね。
一方で「損益計算書」ベースで考えますと、仕入れにかかった「費用」として認識します。
資産の減少と費用の増加が起きています。

■固定資産を購入する
固定資産として車を購入した場合、購入に伴い現金が減りますが、その代わりに車と形を変え、固定資産として資産に計上されます。
よって、現金としての資産が減少し、固定資産としての資産が増加しています。

■売掛金が入金される
商品が売れた時に、クレジットカード支払いなどですぐに入金されなかった場合。売掛金として処理されます。売上は発生していますが、実際に入金はされていない状態です。
なので入金された時にも処理をする必要があります。
売掛金が入金されるので現金が増えます。一方でそれまであった売掛金は無くなります。
現金としての資産が増加し、売掛金としての資産が減少しています。

以上様々な、例を示させていただきました。この取引の流れを記していくのが複式簿記となります。実際にどうやって記帳していくか?そちらについてはまたの機会にご説明させていただきます。

まとめ


いかがでしょうか?
今回は、経営者ならば理解しておきたい会計の基礎について説明させていただきました。
会計・経理は中々面倒くさいところで理解も難しいですよね。
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読んでいただきましてありがとうございました。