自宅で美術品選びができるAR技術を使ったアート選びとは

画像出典:Art.com Twitter

ARとは「Augmented Reality」の頭文字をとった略称で、日本では「拡張現実」ともよばれているテクノロジー技術です。この技術を使って、例えば目の前の建物がAR技術が使われているとして、そこにスマホをかざすと建物の歴史などの視覚情報が表示されるといった活用がされています。

その技術の波がアート界に進出していることは自然な流れとして受け入れられています。なぜなら、AR技術を使ってアートを鑑賞するだけでなく体験する機会が圧倒的に増加しているからです。アートを楽しむ新たな試みとして美術館での活用やARアーティストなども新たに出現しています。
特にミレニアル世代はデジタルネイティブであり、この層はスマホと共に育ってきた世代です。つまりスマホを使ってネットにアクセスして買い物をすることが日常な世代が今後さらに増えていくので、ここに新たなビジネスチャンスが生まれるのです。

そして今注目されているのがARアプリを活用して自宅でアートをインテリアのように気軽に選べるサービスです。実際、カリフォルニアを拠点にARによるアート作品販売などの室内装飾事業を手掛けるArt.comはこの分野における先駆者として、独自のARアプリ「AR.com(日本未配信)」を活用するだけにとどまらず、常に様々な機能がブラッシュアップされており、アート購入がより身近になるような仕組みがデザインされています。

例えばiPhoneやiPadなどを使って選んだ作品が自宅に合うのかどうかを試すことが簡単に出来ますが、驚くことに選べる作品数は200万点以上あり、額縁なども自由に選べるようになっています。

ARを使ったアート選びが間もなく日本にやってくるのは間違いありません。またARを使ったアート選びには、従来のギャラリーやオークションで購入するのとは違う楽しみ方が増えていくはずです。
たとえば絵画や彫刻、写真などの作品のAR技術を使った作品が増えていくと、AR向けのアート作品が今後も様々な形で表出されるはずです。従来にはなかったAR発のグローバルアーティストなども誕生していくでしょう。そのとき、従来とは異なるアート体験が可能となり、アートが鑑賞だけに閉じ込められがちであったものから、よりパブリックでオープンな作品が増えていくことが期待されます。

ARは今後間違いなく進化していき、さらに大衆化されていきます。たとえばARコンタクトレンズをはめてARアートを体験するといった近未来も夢物語ではないのです。
ARビジネスは日常との親和性が高く、VR(仮想現実)よりも大きな市場に成長すると言われています。
そういった流れにアート業界もスムーズに移行することができたなら、今後はさらにビジネスチャンスが増え、そのときには「アートを購入する」という文化が日本にも根付いていることを願っています。