現代アートを共同保有するAND ARTとは

画像出典:ANDART Twitter

アート作品をシェアすることを目的に、アートに新しい文脈を巻き起こそうとしているのが「ANDART(アンドアート)」です。サイバーエージェント出身の女性2人で立ち上げたこの会社には、IT出身者ならではの発想とビジネスモデルによって日本のアート市場を広げようとしています。

ANDARTがどんな作品を展開しているのか、まずはANDARTに登録してみることから始めてみましょう。
メール、SNSなどから登録が完了したら、作品一覧を閲覧することが出来ます。2019年12月現在、特徴的な白黒の顔のないポートレート作品を描く日本人アーティストの五木田智央、アメリカのグラフィティアーティストのバリー・マッギー、ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホル、これらの世界的な作品に1万円から「所有権」を購入することが出来ます。

これ以前にも今やアメリカの現代アートを代表するアーティストになったKAWS、次世代の日本のアート界を引っ張る名和晃平(5万円~)などの作品も出品され、話題をさらったのは記憶に新しいでしょう。
何より今まで手が届かなかった高額なアート作品も共同保有という形で購入出来る、日本初のアートプラットフォームがANDARTなのです。

驚くことに創業者の2人はアートに興味があったもののアートコレクターというわけではなく、どちらかというとアートを購入することに「壁」を感じていたそうです。だからこそ世界のアート市場と日本のアート市場の違いや違和感を減らし、ビジネスを通じてアートをより身近にしようと挑戦しているのです。

また出品作品もANDARTが国内外のアートマーケットを分析し、アートアドバイザーやギャラリー、コレクターに協力してもらい出品する形をとっています。所有権の購入者には特別優待として、「特別展示会のご招待」や「公共展示時のオーナー名表記」など、作品の保有率ごとに優遇することで、所有する付加価値を体験できます。

アート投資と聞くと、どこかわかりづらいイメージを持つ方もいるかもしれませんが、例えば世界一の投資家であるウォーレン・バフェットが推奨している、全米企業に分散投資(インデックス)する「S&P500」よりも、過去20年にわたる投資利回りは大きいのです。世界の富裕層は投資の選択肢のなかに現物資産である「アート」が当たり前のように入っています。つまりアートを購入することは資産を持つことでもあるのです。

アートには鑑賞だけでなく資産運用という側面があり、共同保有することで、作品の維持コストや大型の作品の場合のスペース確保の問題など、購入をためらっていた層にも作品購入機会を創出したANDARTの社会的な意義はとても大きく、日本のアートシーンの活力となることが期待されています。