その価値27億円以上!青天井に値上がりする画家ゲルハルト・リヒターの作品とは

ゲルハルト・リヒターは現代を代表する最高峰のドイツ人画家です。作品は世界中の美術館に所蔵されており、歴史あるケルン大聖堂のなかには、ドイツ政府が依頼してリヒターが制作したステンドグラスがあるほどです。

1997年には第47回ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞と高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。2005年には大規模な回顧展を金沢21世紀美術館で開催。2015年には愛媛県豊島に「ゲルハルト・リヒター 14枚のガラス/豊島」いう恒久作品を制作しており、日本でも人気のアーティストです。

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<リヒター作品の多様性がスゴイ>
リヒター作品は、作品技法の多様性という特徴を持っています。アートシーンに登場した60年代の「フォトペインティング」とそのための題材探しを「アトラス」にまとめ、70年代の「カラーチャート」、「グレイ・ペインティング」、70年代から始まり1番長い期間描いている「アブストラクト・ペインティング」シリーズなど、その表現は時代ごとに変遷を続けています。
リヒターの眼でみつめた世界がどのようなものなのか、常に同時代性がある旬なアーティストなのです。

<リヒター作品の価格は青天井!>
2012年、サザビーズ(オークション会社)がロンドンで行った競売で、リヒターの抽象画が約2132万ポンド(約26億9千万円)という当時の生存作家の最高額が付きました。作品は1994年に制作された「アプストラクト・ビルト(809―4)」というタイトルで、赤、黒、黄で構成された絵画です。この作品はミュージシャンのエリック・クラプトンが所有していたことでも有名です。

その後、2018年11月に画家のデイビット・ホックニー(英国)が価格を更新しましたが、年々、高騰していくリヒター作品は、将来的には歴史的な絵画に肩を並べ、超えていくことでしょう。まさに青天井のアーティストなのです。

なぜなら、リヒターの場合、派手なセルフプロモーションをすることもなく、美術家としての能力のみによって評価されている数少ない作家だからです。まさに、現代アートを代表する最重要人物といえます。

<おわりに>
おそらく世界で活躍する海外のグローバルアーティストのなかで、リヒターは最も注目されているアーティストです。常に世界中の美術館で企画展が開催されて、常に作品は国境をこえて、世界中で愛されているのです。
そして、なにより現存する最高峰のアーティストの作品をみることは、同時代を生きる私たちにとって、またとない喜びと刺激に満ちていることでしょう。リヒターが今後はどんな作品を発表していくのか、ますます目が離せません。

最後に、リヒターのこんな言葉を贈ります。
「絵画がこの不可解な現実を、比喩において、より美しく、より賢く、より途方もなく、より極端に、より直感的に、そして、より理解不可能に描写すればするだけ、それはよい絵画なのです。」