美少女を描く作家「愛☆まどんな」のSBIアートオークション落札相場分析

美少女を描く作家「愛☆まどんな」のSBIアートオークション落札相場分析

「美少女」をモチーフとした作品を描く「愛☆まどんな」。その作品は絵画だけでなく、ライブペイントやイラストなど多岐に渡ります。

2004年、美学校で会田誠のバラバラアートクラスを卒業してからは作品制作の他、アイドルグループ 「でんぱ組.inc」とのコラボや漫画「白亜」の出版、プロダクションの設立、YouTubeチャンネルの開設など幅広く活動しています。

基礎データ

今回は国内セカンダリーマーケットとして人気の、SBIアートオークションの落札結果から、愛☆まどんなさんの市場価値を探ってみたいと思います。

愛☆まどんなさんの作品が初めてSBIアートオークションに出品されたのは、2019年7月開催のオークションで、その後、11作品が出品されています。そしてその全ての作品が落札されています。
※2020年10/31開催のオークションまでのデータとなります。

出品回数落札数不落札落札率
11回11回0回100%

また、11回のオークションでの最大落札価格は1,955,000円、最小落札価格は63,250円、平均落札価格は627,795円となります。

最大落札価格最小落札価格平均落札価格
1,955,000円63,250円627,795円

それでは次に、落札価格帯毎の落札数を見ていきます。下記がそのグラフとなります。

グラフを見ると100万円以下での落札が81.8%となり、殆どの作品がこの価格帯で落札されています。

また、作品が制作・販売されてからオークションに出品されるまでの年数と、その出品された作品数を見ていきます。

オークションに出品された作品の多くは、7年以内に制作されたものになります。また、制作から4年以内の作品の出品が特に多く、短期間しか経っていない作品でも数多く取引されていることが分かります。

価格上昇の期待が持てる作品とは

それでは、どのような作品が高価格で落札されているのでしょうか。それを見ていく為に、まずは作品の大きさ(面積)と落札価格との関係について見ていきます。

グラフを見ると、作品(面積)の大小によって落札価格が必ずしも上下するとは、あまり言えないように思えます。ちなみにこの落札価格と面積の相関係数は0.414となり、極弱い相関となります。

相関係数
0.414

しかし、グラフのトレンドラインより上にある4つの作品を詳細に見ていくと、ある共通する部分がある事に気付きます。

赤枠の3つの作品は、全て「彼女の顔が思い出せない」シリーズとなります。

そして緑色の枠の作品はこちらになります。

これらの作品は愛☆まどんなさんを代表する作品であったり、近い構図の作品となります。 このような作品は価格の上昇に、期待が持てる傾向にあると言えるでしょう。

高単価の作品の特徴

それでは落札価格と面積において非常に強い相関がそれ程見られなかったので、最後に単価(一平方センチメートル当たりの落札価格)毎では、何か特徴が見えてくるのか探ってみましょう。

※単価 今回は作品の一平方センチメートル当たりの落札価格を単価として見ていきます。

単価でみると200円以下のものが多いことが分かります。また高単価のものは先程の「彼女の顔が思い出せない」シリーズであったり、他の作家とのコラボ作品だったりと、単価も落札価格も高く、人気度通り評価されているといった印象です。

また、この11作品の中で、油彩や油性ペンなどアクリル画以外の作品は、比較的低単価で取引されています。愛☆まどんなさんの作品の特徴ともいえる、ハッキリとしたアクリルでの作品の方が、人気が高くなりやすいとも言えます。

冒頭でもご紹介したように、作家以外でも様々なフィールドでマルチに活躍する愛☆まどんなさん。ぜひ注目してみてはいかがでしょうか。