キース・へリング,アンディ・ウォーホル,草間彌生,奈良美智-注目の現代アート作家-

現代アートは次々と作家が誕生していて、どの作家に注目すれば迷ってしまうこともあると思います。
この記事では、作品の価値が特に高く評価されている現代アート作家を紹介します。これから現代アートの購入や売却を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

水玉と網目をモチーフにした作品が特徴:草間彌生


日本で最も有名な芸術家と言えば、草間彌生の名前を挙げる人も多いでしょう。
草間彌生は、活動当初から水玉でキャンパスを埋め尽くす「ドット・ペインティング」という技法で作品を制作し、ニューヨークに渡った1960年代には、ヌードモデルの体に直接水玉の絵を施すハプニングアートを発表しました。草間彌生のハプニングアートはニューヨークで注目を集め、前衛の女王として知られるようになります。

しかし、日本の芸術界では長く評価を得られず、作品の価値も低いものでした。特に80年代のバブル期においては、明るく華やかな作風が好まれた影響もあり、草間彌生の作品が安く販売されていたこともあります。しかし、バブル崩壊後の90年代~2000年代にかけては、草間彌生の作品が注目されるようになりました。1993年にベニス・ビエンナーレで唯一の日本代表として参加したことをきっかけに、草間彌生のアートは一気に価値を高めました。

現在はオークションで億単位の値段が付けられるほど、高い価格で作品が買い取られています。90年代以前の草間彌生作品が手元にあるならば、売却のタイミングとしては今が絶好の時期と言えます。

子供をモチーフにした作品を多く発表:奈良美智


奈良美智の作品は、幼い女の子がモチーフになったものが多くあります。女の子の表情は険しく、見る人をにらみつけているような構図になっていて、かわいらしさとパンクの要素を合わせた作風が人気を得ています。

奈良美智は1994年~2000年までドイツのケルンに住み、創作を続けてきました。2000年に帰国後は国内で展覧会を開催し、2010年にはニューヨーク国際センター賞を受賞しています。2012年には24時間テレビのチャリTシャツデザインを手がけるほか、CDジャケットのイラストを担当するなど、現代アート以外の分野でも知名度を広げています。

奈良美智の作品が注目を集め始めたのは、2015年からです。2015年以前はオークションの落札価格が100万円を下回っていましたが、2016年には120万円を超える価格がつけられました。2018年では200万円を超える落札価格を記録し、現在も価値を高め続けています。奈良美智の作品は国内外を問わず人気が高まっているため、買取価格は今後も上昇していくことが予想されます。

グラフィティアートで注目を集めた画家:キース・へリング


キース・へリングは、カラフルな色遣いとシンプルな線が特徴のアートで注目を集めました。日本ではユニクロからコラボTシャツが発売されたほか、ポップ・ショップトーキョーを解説したり、子供たちとアートを制作したりといった活動を行っています。

キース・へリングが有名になったきっかけは、使われていない地下鉄の看板に黒い紙を張ってチョークで絵を描くパフォーマンスです。このパフォーマンスはサブウェイ・ドローイングと呼ばれており、1980年代初頭において、ニューヨークの地下鉄利用客の注目を集めました。

キース・へリングは、1980年~1986年の間に多くの展覧会を開催して人気を高めていきますが、1988年にエイズと診断されます。1989年に自らの名前を冠した財団を設立し、エイズとHIVの予防・啓発活動に取り組んでいましたが、1990年に31歳という若さで亡くなりました。キース・へリングは若くして亡くなったため、存在する作品の数は限られています。希少性の観点から見ると、キース・へリングの作品は今後も評価が高まっていくと考えられます。

商業デザインからアートの世界へ転身した画家:アンディ・ウォーホル


アンディ・ウォーホルは、商工美術を学んだ後に企業の広告デザインを手がけるほか、レコードのジャケットイラストを制作するといった商業デザインの活動を行っていました。
1960年代~70年代には、ローリングストーンズやヴェルベット・アンダーグラウンドといった有名アーティストのジャケットを手掛け、多くの人にアンディ・ウォーホルの名前が知られることになります。

70年代~80年代には有名人の肖像画を多く作成し、誰もが楽しめるアートの基礎を作りました。中でもマリリン・モンローの肖像画は有名で、2014年に開催された回顧展の看板になっています。アンディ・ウォーホルの作品は、社会で広く知られている人や物がモチーフになっています。作品は非常に色鮮やかでコントラストが強く、見る人の印象に強く残るのが特徴です。

アンディ・ウォーホルは、1987年に58歳で死去しました。しかし、生前に数多くの作品を残していたため、多くのコレクターが彼の作品を求めています。作品の種類によっては買い取り価格が伸び悩むこともありますが、数千万円の価格を付けられる作品も存在するため、今後も注目の現代アート画家といえます。