世界で評価をされている浮世絵!投資対象となると話は違う!?

浮世絵の過去と現在


美術品投資で思い当たることに、江戸時代に日本で盛んに描かれた浮世絵が海外で大変な評価をされたことがあるのではないでしょうか。これなどは日本では普通の価値でしかなかったものが、海外に持ち出せば高額で売却できたことも想像されるでしょう。
これがまさに美術品投資の醍醐味でもあります。
しかし、現状では浮世絵が高額で落札されたようなニュースは皆無となっています。
これはどういうことなのか、そこにもまさに美術品投資の醍醐味が眠っているとも言えそうです。ここで単に浮世絵に対するマイナスイメージだけを感じるだけでなく、美術品投資とはそういうものなのだと悟る機会にもなるのではないでしょうか。

<浮世絵の現在の相場>
浮世絵はそれ自体の評価は100年前と変わらず高いものがあり、収集家の人気は劣化してはいないものでしょう。
しかし割と最近行われたパリでのオークションでは、超有名な喜多川歌麿の浮世絵でも落札額は1億円にも全く届いていません。これは他の西洋画家の作品の落札額が10億円を超えるレベルなのに比べて、100年前の浮世絵人気からすれば著しく低いと感じられます。

浮世絵ならではの特徴


<劣化しやすい>
浮世絵にそれほどの高値が付かないのは、保管する上での手間の大きさがあります。
それは日本の当時の顔料が劣化しやすく、既に劣化していることもありますが制作当時の色彩を残し続けるのが難しいのです。

展示するだけでも劣化は進みますので、資産評価額も下がるだけで見て楽しむ価値も出しづらいものとなっているのです。室内の装飾品にもなりづらいものを、わざわざ高額で購入しようとは思わないのです。浮世絵約5万点を所蔵しているボストン美術館では、劣化を理由に展示はしていません。展示されているのは、現物をデジタル画像にしたものだけです。
現物は湿度、温度を一定にした所蔵庫の中で眠らせているのです。

<版画である>
浮世絵は木版により印刷されたものであるため、何枚も出回っているものです。江戸時代の庶民でも手軽に購入できる身近な絵画だったのです。そこで大量に海外に流出しているものです。
ボストン美術館など有名美術館を中心に所蔵されていて、全て合わせるとその数、数十万点ともされているのです。それだけ希少価値は下がってしまうのが市場の原理でしょう。
版画であるため同じ作品を収集するチャンスは多いとしても、それゆえに値上がりなどは期待されにくいのです。

浮世絵にこだわるプランもある


<値上がり自体は期待できる>
いくら浮世絵は美術品投資の中では難しいとしても、浮世絵のこの10年間における平均市場価値は2~3倍になっているともされています。それも版画であるがためにさほど人気の無い作者で版数の多い浮世絵であれば、数千円から数万円くらいでも十分購入できるようです。

この先、現存する版数が減っていくのは間違いありません。10年先もこのまま2~3倍になるとは言い切れませんが、値上がりすることになるのも一般の骨董品と同じ原理となります。美術品ならではの面倒はありますが、余ったお小遣いがざっと10年で倍になると思えば、魅力ある投資対象とも言えなくは無いでしょう。

<まずはヤフオクからでも>
美術品投資となれば海外のオークション風景のイメージがありますが、そんなものに参加しなくても身近なヤフオクがあります。

ヤフオクであれば、出品されている浮世絵は安価なものがほとんですので、気に入った一品があれば購入してみるのもすすめられます。10年後には意外な高値で売却されるかもしれないのですから、それだけでも密かなワクワク感を保ち続けられることになるでしょう。
ただこれも何でもそうなる訳ではなく作品次第の話ですので、掘り出し物を購入できるべく気長く見る目を養うことを忘れてはなりません。