5年で20倍!50万円で購入した作品が1000万円で売れたオークション取引

タイトルのように5年で20倍!になることが実は珍しくないのがアートの世界の特徴でもあります。お気に入りの作品を購入し、日々の生活で鑑賞しながら作品の価値も上昇していくのが理想的な「アート投資」のひとつの形でしょう。
これが株式の場合、会社が倒産したら株が紙くずになるのと異なり、アートは現物資産であり、年月をかけて楽しむことが出来るのが大きな違いです。

例えば奈良美智の初期のドローイング作品は10万円程度であったものが、10数年後にはオークションで1500万円まで上昇しており、今後も間違いなく高騰していくでしょう。
株価のように市場によって瞬時に売買するのではなく、アートの場合はゆっくりと年月をかけて投資する場合が多く、作家の活躍はもちろんですが、有名コレクターが購入することも付加価値となり作品価格に反映される世界なのです。 

価値が上がりやすい作品としては、エディション(版画に代表される複製可能な技法)ではなく1点ものの絵画がアート市場では最も評価されます。また1点もののなかでもドローイングよりもペインティングがさらに評価され、さらに作品が大きいと価格も高くなるのが一般的な傾向です。

力のあるプライマリーギャラリーで発表された若手作家の作品を購入し、作家の活躍とともに何年後かにオークションなどのセカンダリーマーケットに出品すれば、将来性が期待される作家ほど作品が高騰していくでしょう。オークションで高値がついた後、それに合わせるように作家の新作価格もベースアップしていくのです。

とはいえアート投資の場合、結果的に儲かる見込みで購入することもありますが、自分で鑑賞して、良いと思った作家の作品を購入して応援できることも喜びの一つです。筆者も経験がありますが、購入して何年も十分に楽しめただけでも価値があると思いますが、さらにオークションなどに出品し、購入時よりも利益が出たならば、また違うアート作品を購入してみようと思うものなのです。

将来、日本を代表するような世界的アーティストになる若手作家かも知れないと応援しながら、将来性に青田買いしてみることもアートの醍醐味です。そして作家がブレイクすれば、他のどのジャンルにも負けないほど価格が跳ね上がる興味深い世界なのです。

初めて購入するならば若手作家がオススメです。活躍中の作家は価格も高騰しており顧客もいるため、購入する順番がなかなか巡ってきません。活躍が期待される若手アーティストの代表作を購入することが、投資という意味では1番魅力があるはずです。

とはいえ、あくまでも個人の嗜好が大切であることも忘れてはいけません。作品を購入することでアートの世界を楽しむ醍醐味を多くの方に味わってほしいと願っています。