鈴木弥栄子、丁子紅子、徳田明子、中原亜梨沙、原崇浩-完売人物画作家紹介

鈴木弥栄子

モチーフに登場する少女の髪は自身を守る結界なのか、それとも自己を縛る潜在自我なのか、もしくはその両方なのか。作家自身がキャンパスに何かを刻み、記憶し、解放する為に描かれているようにも感じます。そして、それが多くの人が抱える普遍的な精神へと繋がり、共感を呼んでいるのではないでしょうか。今後、何を感じ、何を描いていくのか、その変化を追いかけてみたいアーティストの一人です。

プロフィール

1979年神奈川県に生まれ。1999年東京芸術大学美術学部絵画専攻油画科入学。2005年東京芸術大学大学院美術研究科修士課程油画専攻修了。
取り扱い画廊:FUMA Contemporary Tokyo、文京アート
作品購入の目安:要問合せ

丁子紅子

「線」の画家という印象が強く、シンプルであると同時にマチエールの強度に魅了されます。人物は一貫して表情を崩さないことで、何を考え感じているのか読み取れないからこそ、様々な感情が表出するのかもしれません。それは能面の世界でも共通しており、作者の作品にも仮面が登場する作品も存在します。1枚の絵として見た場合と、幾つかの作品で構成された中で見る1枚の絵では意味合いや解釈が異なり、その余白こそアーティストの才能ではないでしょうか。

プロフィール

1991年埼玉生まれ。2009年埼玉県立大宮光陵高等学校美術科卒業。2013年女子美術大学絵画学科日本画専攻卒業。
取り扱い画廊:八犬堂
作品購入の目安:要問合せ

徳田明子

プロとして水彩画に取り組むアーティストが少ないなかで、数少ないプロフェッショナルな女性作家です。淡く何かを語りかけるような表情は、どこか中原淳一を思わせる懐かしさがありながら、現代の感覚をしっかりと投影しています。それはポージングや画面構成だけでなく、成熟した現代社会のなかで、しなやかに美しく生きる女性像を創り出しているからこそ、多くの共感を生むのです。

プロフィール

2014年第90回白日会展準会員推挙。現在白日会準会員。
取り扱い画廊:美岳廊
作品購入の目安:要問合せ

中原亜梨沙

色彩の画家でありながら、どこまでも平面であることの面白さを満喫できるのが中原作品の醍醐味ではないでしょうか。そこには日本画で学んだ美意識と技術が根底にあるのは間違いなく、いつの時代でも「私」らしく生きようとする作者の覚悟やユーモラスさを感じます。それは時代を超えて女性が共感する感覚なのかもしれません。生命というエネルギーが放出された作品は見るものを励まし勇気づけてくれるように思います。

プロフィール

1984年沖縄県生まれ。2009年東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業 2011年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程日本画専攻修了。
取り扱い画廊:秋華洞、福福堂
作品購入の目安:要問合せ

原崇浩

リアリズムだけでカテゴライズするべき画家ではなく、その先を描いているという方が正確ではないでしょうか。作家自身が感じる緊張感や空気感なども描かれており、そうした目に見えないものも知覚して絵画に出来る才能を持っています。具象と抽象、そのどちらの要素も取り入れることが出来るのは、やはり現代のアーティストならではの感性ではないでしょうか。実際に作品の前に立つと、作品の強度に圧倒され魅了されてしまいます。

プロフィール

1971年広島県生まれ。1996年金沢美術工芸大学大学院修了。金沢美術工芸大学非常勤講師。
取り扱い画廊:蔵丘洞画廊、秋華洞、フジヰ画廊
作品購入の目安:号=10万円