五ノ井愛、雇洛水、紺野真弓、近藤智美、篠原愛、佐久間由香 -完売人物画作家紹介

五ノ井愛

水彩で描かれた人物画はゾクッとするような生命感を持っています。これはスーパーリアリズムなどとは明らかに異なる作用であり、何がリアルなのか錯覚を起こすような面白さを感じます。まるで夢の中にいるような幻想的な世界である一方、それは絵画の中の出来事ではなく鑑賞する「こちら側」の世界のことでもあるような、そんな機能を持っているのではないでしょうか。それが美術のなかでの面白い立ち位置であり、多くのファンに支持されている理由のひとつだと思います。

プロフィール

福島県生まれ。 講談社フェマススクールズ受講。
取り扱い画廊:The Artcomplex Center of Tokyo
作品購入の目安:5万円~

雇洛水

人間が普遍的に持つ様々な感情が1枚の絵のなかに構成されています。それは「生と死」というテーマとしても捉えられる一方、軽やかさや涼しげさというものも感じさせてくれます。作品を通じて感情がムーブされるのは、多くの要素を含んでいるからであり、多くの解釈を生むのではないでしょうか。日本でも人気作家である画家のルーツは中国であり、今後、どのようにアジアのアートマーケットで評価を高めていくのか、注目したいところです。

プロフィール

1986年中国洛陽生まれ。2009年中国北京語文化大学中国専攻卒業。
取り扱い画廊:清アートスペース、川田画廊
作品購入の目安:号=2.5万円

紺野真弓

ある種の「ネオテニー」的な性質を多分に感じさせる作家です。描かれる女性像は子供と大人の狭間に位置し、それは子どもの部分を持ったまま大人になる「私たち」に多くのことを語りかけているようにも感じます。この種のネオテニーさは日本の文化的要素も大きく、国内のアートシーンの中でも数少ない日本発世界へと扉が開かれているジャンルです。それは単なる流行ではなく、既に世界中に一定数のネオテニーファンが存在するので、その層に広まった瞬間にグローバルなアートフィールドに駆け出しそうな予感がします。

プロフィール

1987年宮城県生まれ。2015年作家活動開始。
取り扱い画廊:The Artcomplex Center of Tokyo
作品購入の目安:5万円~

近藤智美

購入資金があれば迷わず購入すべき画家です。人に媚びるとは何か、絵に媚びるとは何か、というテーマから、時代を超えた「未来の古美術」になるという命題に辿り着いた作者のエネルギーは爆発しています。ときにシニカルでユーモラスで圧倒的なその表現は、現代アートの新しい文脈を創り出しています。アートという行為が人類の美意識を更新させる試みであることをあらためて感じさせ、私たちに希望を与えてくれるのです。

プロフィール

1985年広島県生まれ。
取り扱い画廊:ギャラリーアートもりもと、ヴァニラ画廊
作品購入の目安:要問い合わせ

篠原愛

登場する少女を中心に1枚の絵の中にストーリーが展開されているのが、画家の最大の特徴ではないでしょうか。少女から紡ぎ出されたボタニカルなどの抽象画によって、人間の内側にある心象風景、目に見えないものを近くする作用、生きること、死ぬこと、そうした様々な感情を感じ取ることができます。目に見える世界だけが現実ではなく、この世界には目に見えない世界があることを問うているようにも感じます。

プロフィール

1984年鹿児島生まれ。2007多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。
作品購入の目安:要問い合わせ

佐久間由香

「佐久間ワールド」とも評される耽美な世界は、現在、日本だけでなくアジアや米国にもファンが存在します。作家自身が語るように、作品のモチーフに2人の人物がよく登場するのは人生の岐路を表しています。こうした登場人物の関係性によってリズムが生まれ、物語が紡ぎ出されているのです。日本のマンガやアニメの影響を色濃く受けており、それが唯一無二の世界観を作っているのではないでしょうか。特に若い世代から絶大な支持を受けており、どこか刹那を感じさせる作風も魅力の秘訣でしょう。

プロフィール

1990年愛知県生まれ。愛知県立芸術大学大学院日本画専攻博士課程修了。
取り扱い画廊:金魚空間(台湾)、みうらじろうギャラリー、長江洞画廊
作品購入の目安:号=2万円