鹿島孝一郎のアトリエ「手が届くところに何でもある最高の仕事部屋」-アーティストインタビュー-

幻想的で不思議な世界を表現する絵本作家・鹿島孝一郎。透明水彩絵の具を使った繊細な世界観の作品は、どこで生まれるのでしょうか。

その創作スペースであるアトリエについて、鹿島孝一郎さんに詳しくお聞きしました。

贅沢で不思議な世界を描く絵本作家「鹿島孝一郎」


鹿島孝一郎(自宅内のアトリエ)

鹿島孝一郎 / Koichiro Kashima

大阪在住

主に絵本作家、画家として活動し、粘土立体やアニメーションなど多岐にわたり制作。
平面作品では透明水彩を使い、贅沢で不思議な世界を細密に、落ち着いた色彩で丁寧に表現している。また、額縁や什器なども制作し、展覧会ではそれらを用い絵の中の世界を体感できる空間を独自の方法で表現する。

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小さいが手が届くところに何でもある最高の仕事部屋


3畳ほどの自宅内のアトリエ風景

Q.現在のアトリエが初代アトリエですか?もし過去にもアトリエの歴史のようなものがあれば教えてください。

現在のものが初めてのアトリエです。

Q.作家活動を始めてからどのくらいでアトリエを構えましたか?

画塾時代から小さな物置部屋を改造し、アトリエとしました。
当時から絵本作家やイラストレーターになりたいと考えていましたので、初めから仕事部屋にするつもりでアトリエを作りました。


Tea y Camaleón son hermanos(ティーとカメレオンはきょうだい)
スペインの出版社 A buen paso より出版

Q.アトリエは自宅内ですか?自宅外ですか?また、その理由を教えてください。

自宅内です。画塾時代から7年以上使っている部屋で、とても使い慣れている事と、自宅にある事で、朝目覚めてすぐに仕事に取りかかれる事、移動時間の制限がない事で有効に時間を使えます。

Q.アトリエはどのくらいの広さですか?

3畳ほどしかありません。とても小さいですが手が届くところに何でもあって、最高の仕事部屋です。

Q.アトリエに置いてある家具、道具など教えてください。

椅子にはとてもこだわりました。アンティーク家具屋さんで購入したものを使用しています。椅子は仕事中ずっと使うものですので、座り心地だけではなく、見た目も好きなものを選びました。道具などは、基本的に透明水彩を使用して描きますので、透明水彩絵の具や筆が沢山あります。


制作に使用している透明水彩絵の具や筆

自分の作品に囲まれて仕事をすることが一番の幸せ

Q.アトリエをもちたい、と思ったきっかけ、理由を教えてください。

画塾へ通い始めた頃から、将来絵を仕事にするつもりで始めたので、初めから仕事部屋のつもりで物置を改造しアトリエにしました。絵本作家になりたいという思が強くありましたので、夢や目標を叶えるために集中できる部屋を作ろうと思いました。

Q.アトリエを持って良かった点、悪かった点は何ですか?

良かった点は、仕事に集中できる事、自分の好きな空間にできる事です。
悪かった点は特に思いつきません。


アトリエでの制作風景

Q.アトリエのこだわりを教えてください。

特にこだわりというものはありませんが、自分の制作物以外はほとんど置かないことにしています。(狭いアトリエですので他の物は置けないのですが、自分の作品に部屋中囲まれて仕事をすることが一番の幸せです。)


作品に囲まれたアトリエ

Q.アトリエを作る際に苦労した点は何ですか?

元々もの物置として使っていた部屋を改造したため、壁を白く塗ったり、床を張り替えたりすることに苦労しました。

Q.アトリエを作る際、「こんなアトリエにしたい」というイメージはありましたか?

特に無く、自然とこのようになりました。

Q.アトリエの維持で大変なこと(メンテナンスや維持費)はなんですか?

自宅であるため、また狭いアトリエであるため、維持で大変なことはありません。

Q.今後アトリエの改善をするなら何をしたいですか?

特にありませんが、もう少し広いスペースを確保するために、近々別の部屋をアトリエとして改造し、使用することを検討しています。


目標や夢を叶える上で必要だと感じたからアトリエを構えた

Q.やはりアトリエがあると作家活動が捗りますか?

捗ります。自分の夢や目標に向けて楽しめる部屋があると、自然と捗ると思います。

Q.アトリエでのハプニングや、何か思い出深いエピソードなどあればお願いします。

大切な制作物がたくさんある部屋ですので、ハプニングがないように心がけています。
アトリエを改造する際、家族で壁を塗ったので、それが思い出となっています。

Q.これからアトリエを構えようと思っている作家に一言お願いします。

アトリエということで部屋を構えたつもりではなく、自分の目標を叶えるための部屋としてて作ったものです。目標や夢を叶える上で必要だと感じた時に、集中できるような部屋を作ると良いと思っています。


2020年末、新作絵本 “La historia del arca de Noé tal como me la han contado a mí”
(日本語訳:「ぼくが知っているのノアの方舟のおはなし」)をスペインの A buen paso
社から出版予定。

ノアの方舟をアレンジした物語で、執筆にも初挑戦。
きっと今まで誰も見た事がないようなノアの方舟になることでしょう。