落札価格420万円超!スーパーリアリズムで描く岡靖知のヤフオク落札データ分析

写実絵画を更に超える「スーパーリアリズム」で一世を風靡している作家、岡靖知さん。美人な女性を超リアルに描く画風は、正に写実の極致に到達しています。そしてその作品は岡さんご自身がヤフオクに出品して、高額で取引されています。
今回はヤフオクの落札データから岡さんの作品の魅力を探ってみたいと思います。

2019年から2020年2月までで、岡さんご自身でヤフオクにご自身の作品(新作)を出品された回数は17回あります。そしてその全てが落札されて取引を終えております。

また出品作品は油彩とドローイングの2種類を出品されており、油彩の出品回数は5回、ドローイングの出品作品は12回となっています。

それでは油彩とドローイングそれぞれで落札相場の比較をしていきたいと思います。

油彩の落札価格は、5回の出品の全てで100万円以上で落札されています。最大落札価格は4,262,000円、最小落札価格は1,030,000円、平均落札価格は2,325,200円です。

ドローイングは落札価格が100万円を超えるものはなく、最大落札価格は513,000円、最小落札価格は178,000円、平均落札価格は338,833円です。

最大落札価格最小落札価格平均落札価格
油彩4,262,000円 1,030,000円2,325,200円
ドローイング513,000円178,000円338,833円

平均落札価格の比較では、油彩はドローイングの6.9倍価格が大きくなります。スーパーリアリズムで描く岡さんの作品は、圧倒的に油彩画の人気が高い事が分かります。

次に作品のサイズによる価格比較をしていきます。ドローイングは全て同一サイズの作品が出品されており、油彩に関しては多少バラツキがあります。
そこで価格比較の為、1平方センチメートル当たりの落札単価を見てみます。下記がその値となります。

最大落札単価最小落札単価平均落札単価
油彩2,532円800円1,536円
ドローイング1,097円381円724円

先ほどと同様に平均落札単価での比較を見てみると、油彩はドローイングの2.1倍価格が大きくなります。先ほどの平均落札価格比の6.9倍よりも小さい値となりましたが、それでも油彩とドローイングでは2倍以上の価値の開きがあり、油彩の人気が高い事が分かります。

それでは油彩とドローイングそれぞれの入札件数を比較してみます。
油彩の平均入札件数は247件です。そして4,262,000円で落札された時の入札件数は、なんと748件の入札がありました。これはヤフオク全体でみても非常に高い数字です。
ドローイングの入札件数も見てみると、平均入札件数は68件。最大入札件数は150件となっています。

最大入札件数最小入札件数平均入札件数
油彩748件65件247件
ドローイング150件36件68件

また落札価格と入札件数の関係をみると、おおよそ入札件数に比例して落札価格も上昇しています。

オークションの性質上、入札件数が多いほど価格は上昇しますが、これだけの入札者が現れる岡さんの人気は凄まじい事です。

それでは何故岡さんのオークションには、こんなにも入札者が現れるのでしょうか?作品自体の人気はもちろんですが、オークション以外の部分にも注目してみると、この人気の高さ・入札件数の高さが見えてきます。

そこで岡さんのTwitterに注目してみます。岡さんのTwitterのフォローワー数は驚くことに6.5万人います。これはそこらの芸能人よりも多い数値で、岡さん自身がインフルエンサーとなっています。
こういった背景も作品の価格上昇の一躍を担っている事は間違いないでしょう。

画家としては創作活動に専念することは何より大切です。
しかし作品を売る、作品価格を上昇させる、自分の価値を高めるには、創作活動とはまた別に必要なことでもあります。

今はSNSなど情報を発信するツールも多くあり、国内だけでなく海外に発信することも非常に容易です。
またギャラリーを通さずに、直でヤフオクで作品を販売する。この事も今までであればギャラリーに売上の半分を持っていかれていた事でもあります。

まだまだ様々なことから変わる事の出来ないギャラリーなど美術業界を尻目に、独自のルートを辿り人気を獲得してきた岡靖知。これからも彼の行動に注目です。