美術品への購買意欲が高まりつつあるその背景

美術品の生活用品化


美術品などは、美術館にお出かけして鑑賞するだけの世界であったものです。その回数が多い人こそが美術に通じた人とされていたものでしょう。
それが最近では、日常生活空間に取り込もうとする動きが目立っているようなのです。

日本人もやっとそれだけの豊かさを手にしたのかと思えば、それだけの話でも無さそうです。そこに装飾品としてのメリットだけでなく、投資対象としての美術品の存在に気付き始めているのです。それもニュースに出るような巨額の売買でなく、もっと身近に扱える金額での投資があることが認知されつつあるのです。

日本での美術品市場の概況


まず、世界での美術品市場は年間約7兆円規模であり、アメリカ、イギリス、中国の3カ国が中心になっています。日本はこの内約5パーセントを占めていますが、経済規模の割にはまだまだこれからと言えそうです。それでも日本のアートフェアの入場者は上昇する一方で、もちろん販売額もそれと同等の上昇を続けているようです。

それは美術品に関する情報や売買も、ネットを通じて完結する環境も整ってきたことも要因に挙げられるでしょう。美術館の生展示も充実していますが、部屋に居ながらでも数あるあらゆる作品からチョイスするのも簡単になっているのです。

美術品購入の1元的メリット


メンタル的に豊かになれる>
美術品のような無くても生活のできる物を購入する理由には面白いものがあります。
それは購入するだけで目に見えない効用があるところです。室内のグレードをアップさせ豊かな空間を作り出すのはもちろん、そこに潜む作者の発想に思いを巡らせてみれば、日々の暮らしにおける発想が充実したりもします。

たとえ目に見えない押し入れにしまい込むにしても、あることだけでその効用はあると言われてもあながち否定もできません。これは多くの人が最初に美術品を購入する単純な理由ではあります。ですがこのためだけでは、投入する資金も制限しがちになるのが普通の人でしょう。自分的に生活を支えるメンタルに潤いを、脳に潤滑油を与える代物として納得できる物にそれだけの対価を払っているのです。

美術品購入の2元的メリット


<資産を運用できる>
最近では不動産や株、FXだけでなく仮想通貨などで資産運用することで法外とも思える利益を得る人も見かけられます。これは時代の流れかと思えば、この先も新たな資産運用先が探られます。
そこに登場しているのが美術品なのです。

美術品を資産運用として見る場合、購入基準は変わってきます。
例えば株、FXの短期運用であれば、チャートを主体として購入対象を決めるものでしょうが、美術品であればどこに主体を置くかは作者にあるでしょう。つまり、人に対する投資のような面が大きくなるのです。それは将来性のある作者であるか無いかに尽きます。

将来性の必須条件としては、絶えず作品を提供しているかがあります。それは作者の美術への思い入れの強さが無くてはできないことなのです。ちょっと見かけた作品が気に入ったからきっと将来性もあると思うのは、完全な思い込みであることが多々あってもおかしくはありません。

あの草間彌生もほぼ同じ図柄のパターンでありながら延々と世に作品を提供し続けたからこそ、世界から評価をされるようになったとも言われているのです。
自分の作品に信念のある作者で無ければ、なかなか大成することなくその他大勢のアーティストとしてしか扱われないと見て良さそうです。もしも運用を志すのであれば、そのような作者の作品が値上がりすることはまずないと思っておきましょう。
そんなことですから、作品ばかりでなく作者の人物像も欲しい情報となります
これもある程度はネットで拾えますし、ブログでも開設していればチェックもすると良いでしょう。