名和晃平、金氏徹平、松井えり菜、束芋-注目の若手現代アート作家-

現代アートの中には、手軽な価格帯で購入できる作品も多くあります。しかし、購入したアートの作家が人気なのか、そうでないかの判断は難しいものです。
そこで今回は、注目を集める若手現代アート作家を調べました。これから現代アートを購入しようと考えている方は、注目です。

新たな概念で現代美術をリードする名和晃平


名和晃平は、pixcellという独自の概念のもとに作品を作り続けています。
Pixcellは、視覚情報である画像(pixcel)を器(cell)で覆うことで情報の境界を認識の変換点としてとらえる考えに基づいています。名和晃平の作品は海外でも高く評価されており、2012年のサザビーズ香港オークションでは「PIXCELL-GREATER KUDU」という作品が、およそ5000万円で落札されました。他の作品も販売価格の倍以上で落札されており、名和晃平が注目を集める美術家であることを証明しています。

名和晃平作品には、ビーズやプリズム・発砲ウレタンといった素材が用いられています。特にビーズを用いた作品が多く、先に紹介した「PIXCELL-GREATER KUDU」にもビーズが用いられました。
名和晃平作品は20万円前後で買えるものもあり、現代アートに触れるきっかけとなれる作品です。過去に参加した展覧会のカタログも販売されているため、名和晃平の作風を詳しく知りたいときはカタログから買い始めるのもおすすめです。

漫画やアニメの表現を作品に取り入れる金氏徹平


金氏徹平の作品は、漫画やアニメをモチーフとしたものが中心となっています。
一例には、赤塚不二夫の漫画表現をコラージュ等の技法で表現した作品、アニメのフィギュアを複数集めて1体の像に仕上げた作品があり、人々の身近にある素材と美術を組み合わせた表現を主体に政策を続けています。

金氏徹平は、京都国際マンガミュージアムや滋賀のボーダレス・アートミュージアムの
グループ展にも参加していて、サブカルチャーにも深く精通しています。
そのため、アニメや漫画が好きな人にとっては興味が持ちやすい現代美術家と言えます。
金氏徹平は舞台美術も手掛けており、2015年~2016年にかけては辻本知彦・島地保武のダンスユニット「からだ」の公演の一つ、「あし」の舞台美術を作成しました。また、2018年には六本木アートナイトのメインプログラムを手掛けるなど、大型美術の制作にも携わっています。

金氏徹平の作品は値段に幅があり、10万円台で買えるものから30万円台に達するものまでさまざまです。作品を見つけても売却済というケースもありますので、金氏徹平の作品を探すときは定期的に販売元をチェックしましょう。

自画像をテーマに強烈なインパクトの作品を手掛ける松井えり菜


松井えり菜の作品は、自画像が多く用いられています。画面いっぱいに強烈な表情を描き、顔のしわや吹き出物まで細かく描き出すリアリティを追求するスタイルは、見る人の心に強く残り続けます。
松井えり菜の作品は人間だけでなく、動物の顔もリアルに描き出します。特に、松井自身が「自分の分身」として慕っているウーパールーパーのモチーフは、絵画だけにとどまらず、巨大オブジェや焼き物で表現されています。

松井えり菜の作品は日常にあふれる感情や出来事を取り上げており、自身の留学や結婚といったライフイベントの際に感じたことを、非常に大きなスケールで表現しています。
身近な感情をモチーフにした点やかわいらしさと気持ち悪さを合わせた作風である点から、松井えり菜は女性に向けて特にお勧めしたい現代アート作家と言えます。
松井えり菜は、近年積極的に個展やグループ展を開いている作家なので、展覧会の情報を集めて積極的に作品を鑑賞してみましょう。

浮世絵を連想させるタッチが特徴の束芋


束芋は、自身のニックネームをアーティスト名に活動する現代アート作家です。
束芋の作品は浮世絵の特徴を多く取り入れていて、社会問題を題材にした作品が多く見られます。
例えば、1999年に制作された映像作品「にっぽんの台所」は、江戸時代の浮世絵から色を取って作成されました。束芋は200年代初頭に「にっぽんの」という名称が付くタイトルを多く発表していて、その時々の社会問題を取り入れた映像作品を制作してきました。

束芋の作品は映像以外の作品が少なく、絵画として発表されている作品は数が限られています。束芋の絵画を所有したいなら、現代アートを販売するギャラリーやウェブサイトの情報を幅広く集めてください。