きたる6月~7月に、大注目の超高額オークションが開催される。
その中で要注目の3作品についてご紹介しよう。
クリスティーズに『モナ・リザ』の複製画が出品
17世紀初頭、レオナルド・ダ・ヴィンチの追随者によって制作されたものとされているモナ・リザの複製画が、世界で最も長い歴史を誇る美術品オークションハウス「クリスティーズ」のオンラインセールにて出品される。
偽物が数千万( ゚Д゚)
《モナ・リザ》の複製画がクリスティーズに出品。予想落札価格は約2700万〜4000万円|美術手帖 https://t.co/KgX7SZKQY5
— らち@聴く美術館/RADIO (@sonnai_lachi) June 4, 2021
同作は1950年代に購入したコレクターの名にちなんで、「ヘッキングのモナ・リザ」とも呼ばれている逸品で、オンラインセールの期間は6月11日〜18日で、落札予想価格は日本円で約2700万〜4000万円だ。
モナ・リザ について
「世界でもっとも知られた、もっとも見られた、もっとも書かれた、もっとも歌われた、もっともパロディ作品が作られた美術作品」と謂われる程に有名なモナ・リザではあるが、 この機会にどういった作品か簡単に説明したいと思う。
モナ・リザ はレオナルド・ダ・ヴィンチ によって 1503年~1519年頃にポプラ板に油彩で、微笑する女性の上半身のみが描かれた作品だ。
現在はフランスの国有財産に指定されており、ルーヴル美術館に常設展示されているのが私達の知る一般的な モナ・リザ である。
今回出品されるモナ・リザは冒頭でも述べたとおり、 レオナルド・ダ・ヴィンチの追随者 によって作成された『複製画』だ。
レイモンド・ヘッキングが 1950年代 に フランス・ニース地方の骨董屋から購入 したこの作品が一体いくらで落札されるのか、その行方に注目したい。
レオナルド・ダ・ヴィンチのドローイング《Head of a Bear》出品
続いても、レオナルド・ダ・ヴィンチに関する作品で、 レオナルド・ダ・ヴィンチ本人が描いたドローイング作品についてご紹介しよう。
ドローイング とは、「線画」という意味である。
鉛筆や木炭などを使用して、線をメインにして描かれた作品のことを指し、レオナルド・ダ・ヴィンチは多くのデッサンやドローイングを残している。
彼は 興味をもったあらゆる事象を小さなスケッチや詳細なドローイングで書き残し、その数は現存するだけでも 900種とも言われている 。
そしてのドローイング作品の一つである《 Head of a Bear》が 、7月8日に、クリスティーズ・ロンドンで開催されるオークションに出品予定というわけなのであるが、なんとその落札予想価格は日本円で約12億〜18億円と言われている。
Rare #LeonardodaVinci #Drawing Expected to Break the Artist’s Auction Record. Head of a Bear—a study of the normally ferocious creature, sketched in a more gentle and docile state—will be offered for sale on July 8 at Christie’s in London. https://t.co/Q1mWbCmHs0 pic.twitter.com/4UDpTL4kGk
— MIX (@mixdevil66) June 5, 2021
熊の頭部を描いたこのドローイングは、Chatsworth Houseのデヴォンシャー・コレクションとイギリス王室以外の個人が所有する8枚のダ・ヴィンチのドローイングの内の1枚で、他の作品と合わせていずれも1480年代前半の作品と考えられている。
クリスティーズ・パリのオールドマスターズグループ国際部門責任者スティーン・アルステンス氏は同作について、「市場に出回る可能性のある最後のドローイングのひとつ」と考えているようで、オークションレコードの新記録を達成できると確信している様だ。
私達にとっても目が離せないオークションになる事、間違いなしだろう。
カンディンスキーの傑作『TENSIONS CALMÉES』がサザビーズに登場
今まで約半世紀にわたり個人が所蔵してきたワシリー・カンディンスキーの傑作『TENSIONS CALMÉES』が、ロンドンで開催されるサザビーズの「印象派・近代・現代美術オークションイブニングセール」にて競売にかけられる事となった。
ワシリー カンディンスキーとは
ロシア出身の画家である。
丸や四角や三角や点と線を組み合わせて描く「 抽象絵画 」作品が有名で、抽象絵画の創始者とも呼ばれている。
子供のときに色彩に対して特に興味をもったと言う カンディンスキーは、独特な鮮やかな色彩と図形を用いて、自身の内面表現や、 て精神的な内容を伝えている。
今回オークションに出品される本作は1937年にパリで描かれたもので、落札予想価格は日本円で約27億〜37億5000万円とされる。
サザビーズのヘレナ・ニューマン( Worldwide Head of Sotheby’s Impressionist & Modern Art Department)は、「過去10年間にオークションに出品されたカンディンスキーの作品の中でも最も重要な作品のひとつ」と高く評価しており、初期作品の記録を塗り替えるか、競売の結果に注目が集まっている。