実物資産と金融資産との比較でのアート投資

実物資産と金融資産との比較でのアート投資

終身雇用の崩壊、高齢化、年金や社会保障制度など、将来への不安を感じる人が増えています。そこに追い打ちをかけるように2019年に金融庁が「老後資金は2000万円必要」との報告書を発表した事で更に混乱を呼びました。
こういった背景による将来不安から投資を行う人が増えています。

それではどういったものに投資を行うのでしょうか。
主に投資と言うと株式やFXなどの金融資産への投資を思い浮かべるかもしれません。
しかし金や不動産、美術品などの実物資産への投資という選択肢もあります。

実物資産と金融資産との比較でのアート投資

金融資産と実物資産

金融資産とは株式など実体はないが、価値が定義、保証されている資産です。金融資産には以下のような種類があります。

・現金
・株式
・債権
・投資信託
・生命保険

金融資産投資では売却益によるキャピタルゲインと、配当や分配金などによるインカムゲインを期待する事ができます。

一方、実物資産とは金や美術品など実体があり、それ自体に価値がある資産を指します。実物資産は主に以下の種類があります。

・貴金属(金、銀、プラチナ、ダイヤモンド)
・不動産
・美術品
・アンティークコイン
・自動車
・ウィスキー

実物資産投資でも売却益によるキャピタルゲインが期待できます。また「モノ」自体に価値があるので、保有すること自体でも価値があります。

実物資産でのアート投資

アート投資の特徴として挙げられるのは、作品自体に価値があるので価値がゼロにならない点です。それは金銭的価値だけでなく、作品を鑑賞して感じる心の価値と言う面でも同様です。
また、インフレや有事の際には実物資産の価値が上昇する事も挙げられます。

アート投資の様々な運用方法

売却益(キャピタルゲイン)

アート投資の主となる運用方法です。価格の低いときに購入し、価値が上昇したタイミングで売却すれば大きな利益が期待できます。

若手アーティストへ投機的運用

アート投資には既に価値や名声が定まっているアーティストの作品への投資と、これから価値が上昇可能性を秘めているアーティストの作品への投資があります。
前者は現時点で高額であるため多額の投資資金が必要となります。その反面、価値は安定しているので、資産価値は保たれます。

後者に関しては少額で投資でき、価値が上昇した際は投資資金の何十倍、何百倍となって返ってきます。一方、投資した全ての作品の価値が上昇する訳ではないので、どうしても投機的にもなっていしまいます。

アーティスト支援メディアARTFULL(アートフル)

アーティスト支援メディア「ART FULL(アートフル)」です。若手作家から著名作家までアーティストに役立つ情報を配信し…

節税対策

平成27年から美術品の減価償却資産制度が改正されました。これにより30万円以上100万円未満の美術品を購入した場合、減価償却として節税対策になります。

アーティスト支援メディアARTFULL(アートフル)

目次 1 税制改正は美術品投資にも関わる2 前提条件3 原則100万円未満であること4 特例、例外もある 税制改正は美術…

アートの分割所有や共同保有

アート作品の分割オーナー権の売買が可能なSTRAYMや、高額なアート作品共同保有が可能なAND ARTなどのサービスも展開されています。

アーティスト支援メディアARTFULL(アートフル)

STRAYM(ストレイム)とは2019年12月3日に誕生したばかりのアートプラットフォームとして、アートを100円から売…

アーティスト支援メディアARTFULL(アートフル)

アート作品をシェアすることを目的に、アートに新しい文脈を巻き起こそうとしているのが「ANDART(アンドアート)」です。…

また海外でもアート作品をトークン化し分割所有権の売買が可能なMaecenasなど国内外で注目されています。

アーティスト支援メディアARTFULL(アートフル)

Maecenas(マエケナス)とは、香港やシンガポールなどアジアのアートシーンの中心地で展開している、アート作品取引のプ…

アートファンド

アートの投資信託になります。投資家から資金を集め、ファンドマネージャーが運用し、得た利益を投資家へ分配します。

アーティスト支援メディアARTFULL(アートフル)

目次 1 アートファンドも特別なファンドではない2 アートファンドならではの手数料負担3 アートファンドが生まれる流れ4…

アート鑑賞

金融資産との大きな違いは「モノ」がある事です。自分の気に入ったアート作品を手元に置いて鑑賞するだけでも、満足感を得られます。

実物資産によるリスクヘッジ

2020年3月は新型コロナウイルス感染拡大の影響で株式市場は大混乱を起こしました。しかしこの機を「10年に一度の相場」と、個人投資家が増えているとの報度もありました。
それはテレワークや外出自粛の影響もあり、(投資初心者を含めた)証券会社の口座の開設数が急増した事でも説明がつきます。

一方、3月の日経平均株価は記録づくめでした。3月13日は1128円58銭安と急落し、この下げ幅は歴代13位の下落幅となりました。
また、3月25日には1454円28銭高と急上昇し、この時の上げ幅は歴代5位の上昇となります。

この様に投資は100%期待通りに動くことはありませんが、リスクを減らすこともできます。
この時期、実物資産の金の価格は株安で価格を一時下げましたが、その後買いが加速し急上昇しました。

実物資産と金融資産。投資を行う際に大切なのは分散投資によるリスクヘッジです。色々な商品でポートフォリオを組み、安定して運用する事が大切です。そしてアートへ投資する事もその一つの選択肢となり得るでしょう。