小川香織、小尾修、河山流、黒木三都子、粉川江里子-完売人物画作家紹介

小川香織

一貫して少女を描いており、年々、様々な色彩に挑戦して表現力に広がりを見せています。近年は「アリス」をモチーフにした作品を発表しており、物語をなぞるだけでなく作家独自の寓話へと見事に昇華させています。水彩、色鉛筆、鉛筆を好んで使用しており、素材そのものの新たな可能性を感じさせてくれます。どこか教訓めいた呪縛から解き離れたような刺激的な面白さが作品から伝わってくるのは、現代社会に生きるアーティストの感性によるところが大きいはずです。

プロフィール

1981年 埼玉県生まれ。 2005年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業 2007年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻
取り扱い画廊:ギャラリーアートもりもと
作品購入の目安:号=2万円

小尾修

徹底して女性を描き続けている作家が近年注目しているのは、モデルのポージングでないでしょうか。それこそ過去作とは明らかに異なる特徴です。それは作家の新しい「美の視点」の獲得ではないでしょうか。バレエや舞踏に見られるように、人間は負荷がかかる体勢が美しさを生む秘訣です。近年は特に肉体の美しさ、人間そのものの美しさに迫っているように感じます。年々、変化していく作家がどこに注目していくのか目が離せません。

プロフィール

1965年神奈川県生まれ。1988年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。1990年武蔵野美術大学大学院造形研究科油絵コース終了 。 2006年白日会内閣総理大臣賞受賞 。 2010-2011年文化庁新進芸術家海外派遣制度研修員として1年間パリにて研修。
取り扱い画廊:Gallery Suchi、春風洞画廊、画廊大千、彩鳳堂画廊
作品購入の目安:号=15万円

河山流

イラストレーターとの違いは作家自身が描きたいものを描いているか、その1点の違いではないでしょうか。日本のアニメーションの系譜を生かしながら、どのように展開されていくのか若手作家ならではの動きに興味が尽きません。例えばpixiv(ピクシブ)などにも作品を出品登録しており、従来のギャラリーでの作品発表に限らず、SNSを通じて一定数のファンを世界中に獲得する可能性があります。情報がフラットになればなるほど、いつ、どこでブレイクするのか注目作家の一人です。

プロフィール

埼玉県生まれ。専門学校日本デザイナー学院グラフィックデザイン科卒業。
取り扱い画廊:The Artcomplex Center of Tokyo
作品購入の目安:要問合せ

黒木三都子

年々、色彩の画家の道を歩んでいるように感じます。ときに妖艶と称される女性の姿を描いており、それは作家の内側にある言葉にならない感覚を「青と黒」という日本神話の月読令(つくよみ)の世界を取り込みながら、自身の内面世界に投影して描いているように見えます。日本画が本来持つ素材感を生かしながら、ただ綺麗や美しいで終わらないのは、作家性があるからこそです。今後はいかに「青」という色を育むのかポイントではないでしょうか。

プロフィール

1991年東京都生まれ。2016年多摩美術大学大学院美術研究学科絵画専攻日本画領域博士前期課程修了。
取り扱い画廊:すみれ画廊、八犬堂
作品購入の目安:号2万円

粉川江里子

絵を描く行為は「自分を消すこと」という画家は、見える世界と見えない世界の間にある世界を表現しています。これは画家が視覚障害者であることが起因しています。そのため、太陽が沈んでから世界が鮮やかに見えるといい、生きるために、そして記憶を留めるためにも絵が必要であったという作者の表現は、全国各地に多くの共感を呼んでいます。それは人間の本質に迫り揺さぶる作用が作品にあるからに他ならず、人物画の在り方そのものを問う力があるのです。

プロフィール

武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。
取り扱い画廊:美岳画廊
作品購入の目安:号=2.5万円