ブロックチェーンを活用し作品を株式化して取引するMaecenasとは

Maecenas(マエケナス)とは、香港やシンガポールなどアジアのアートシーンの中心地で展開している、アート作品取引のプラットフォームのことです。
仮想通貨で使われるブロックチェーン技術を使いトークンを発行し、アート作品の分割所有権を売買しています。トークンとは元々商品の引換券という意味がありますが、最近は仮想通貨上で使われることが多く、企業や個人が発行する独自コインとイメージすると分かりやすいと思います。

The world's first Art Investment blockchain-based platform t…

Maecenasが行った画期的なサービスは、2018年に開催された世界初の仮想通貨に対応したアートオークションです。これを可能にしたのが独自に発行した「ART(アート)」というトークンです。ブロックチェーンによってアート作品のデジタル証明書が改ざん出来ない形が実現され、アートの所有権を売買できることになりました。

それに伴い生まれたのが「分割所有」という概念なのです。以前からこの形はアートの世界で何度も議論されてきましたが、作品の偽造や著作権などを技術的にクリアにすることが出来なかったので、技術の発展とともに生まれたサービスといえるでしょう。
実際オークションではアンディ・ウォーホルの作品をトークン化して、世界初のイーサリアム上のオークションが実施されています。

2019年10月の新たな動きとして、Maecenasと日本のstartbarn(スタートバーン)による国際的なパートナーシップの締結が発表されました。これによってstartbarnが構築する「Art Blockchain Network」(以下ABN)の技術を、Maecenasも使用することが出来ます。

仮想通貨の「イーサリアム」の技術を使ってプラットフォームを構築しており、今後生まれる他のアートプラットフォームとの接続性を考えた設計になっています。アートの分割所有のトークンを安全に発行することで、市場に多くの人々が関心を持つはずです。また分割所有権がひとつに統合された場合、それまでの分割記録と共に作品所有歴が引き継がれます。

部分所有のメリットは高額なアート作品の売買を「民主化」させたことです。一人では手が届かないアート作品を「共同保有」してパブリックなモノとすることで、保有者だけが実際に作品を鑑賞できる体験などの独自のサービスが生まれていくでしょう。
また分割オーナーであっても株式のように作品を売買することが可能となるため、誰がアートを「所有」しているのかによって価格も大きな変化が起こるはずです。よりオープンなアート情報とクローズドなアート体験、Maecenasが両方の価値を提供することで、従来とは異なるアートの新しい経済圏が出来るのではないかと期待されています。

著者:アートノミクス@金融&アートライター

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