アート市場はどの位?アート投資を行う価値はあるのでしょうか

アートに投資するというとピンとこない方も多いと思いますが、それは日本のアートマーケットが小さいことが原因です。
世界全体の現代アート市場は7兆5千億円規模まで成長しており、日本のアート市場も成長しているとはいえ、その規模は3500億円に届かない程度しかありません。これはアート市場全体の5%に満たない市場であり、日本に限って言えば一部のアートコレクターやアートファンにしか作品が届いていないことが数字から読み取れます。

アートに限らず投資をする上で大切にしなければならないのは「期待値」と「成長性」です。そしてその2つに欠かせないものが「市場」ではないでしょうか。
当然、市場規模が大きい方が大きな利益を生み出すチャンスに恵まれます。これはどのビジネスにも共通するはずです。そうした投資という面からアートを見ると、日本は「チャンスの宝庫」といえるでしょう。なぜなら日本のGDPは世界3位であり、決してお金がない国ではないからです。

アートのもう一つの特性として「国境がない」ことが挙げられます。世界で活躍するグローバルアーティストの作品は、どの国に行っても人気があります。つまり、将来性のある作品を購入すれば、それはグローバルなマーケットと繋がっていることを意味します。作品によっては10年後に何百倍にも作品が高騰するのが決して珍しくないのは、こうした大きな市場があるからです。

欧米社会では、アート作品も当たり前のように投資の選択肢に入っています。例えばドイツ銀行は1979年からアートコレクションを始め、現在では世界一の企業コレクションが存在します。当たり前のようにアートラウンジがあり、銀行員の中にもアートアドバイザーが存在していると聞くと、日本では驚く方も多いのではないでしょうか。
アートを購入することは文化的価値への貢献にもつながり、例えば作品がきっかけで世界中の様々な VIPと交流する可能性もある世界なのです。またドイツ銀行がアートを購入するのは資産運用としての側面も大きく、現物資産であるアート作品は世界恐慌や戦争などが起きた場合でも担保できるので、リスクヘッジにもつながります。

社会は投資で回っていると考えたならば、アートへの投資もなんら不思議なことではありません。しかし、日本は「お金」そのものを教育で習う機会が全くないため、個人投資家の数も先進国の中でダントツに低く、それが国内アート市場にも影響しています。
ミレニアル世代を中心に少しづつ社会のあり方が変化しており、アートを購入する若い世代が確実に増えています。右肩上がりの市場がしばらく続くアートの世界は、投資としても魅力的な世界であるといえるはずです。