2019年注目の国内若手アーティスト5選

ここでは2019年注目の若手アーティストを5名挙げていきます。どのアーティストも今後の日本の現代アートシーンをリードすることが期待される、新しい才能ばかりです。

松井えり菜(1984~)は、若くして日本のトップアーティストへと駆け上がった大注目のアーティストです。2004年のGEISAI♯6で金賞受賞した後、カルティエ現代美術財団ディレクターのエルベ・シャンデスが彼女の才能を高く評価して、コレクションしたことががきっかけとなり、世界デビューを飾りました。
作品の特徴である大胆な「変顔」のユーモラスさとマチエールの繊細さが共存された世界は、彼女ならではのオリジナリティであり、現代アート界でも異色の存在です。

近藤亜樹(1987〜)は、2013年ごろから精力的に作品を発表している若手ペインターです。絵を描くことについて、「描くことは生きることだ」と言い切るその作品は、大胆で柔軟な平面と色彩のマチエールのせめぎ合いによって絶えず蠢いているように感じます。
作品を時系列で追っていくと近藤自身が葛藤しながら成長していく過程を見ているようで、同時代を生きる者として注目し続けたい存在です。今後の更なる活躍が期待されます。

小林健太(1992~)は、カメラを使って「真を写す」ことを問い続けている新世代の写真家です。写真の上にペインティングしているように見える作品は、すべてPCで行なわれています。
小林の作品を見ていると、ステレオタイプな「写真」というイメージそのものを壊してくれ、新しい写真を創ろうとする覚悟を感じさせてくれます。写真と絵画の境界線が溶けていくような新鮮な感覚は、今後の飛躍を予感させる現代アート界の最重要人物のひとりといって間違いないでしょう。

水谷吉法(1987~)は、20代半ばから活躍している写真家です。一躍写真家にその名を知られるきっかけとなったのは、2014年に発表した「TOKYO PARROTS」です。突如都会に大量発生したヴィヴィッドなインコの大群と都市の風景の異様さに思わず目を奪われます。
その次に発表した「HANON」では、モノクロームな世界で電線に止まるカラスを音符に見立て、軽やかで美しい作品を発表しました。日常を切り口に、水谷は様々なテーマで意欲的に発表し続けているのです。
その写真集は一片の詩のようでもあり、どこか演劇的でもあります。日本の写真界において、近年、新しい才能を鮮やかに感じさせてくれる写真家です。

梅沢和木 (1985~)は、日本のサブカルチャーに影響されて生まれた現代美術家です。ネット上にあるキャラクターの画像をコピー&ペーストして、その上から描くという独特な作品を作り続けており、批評家の東浩紀や村上隆からも梅沢作品は評価されています。
根底にあるオタク思考が爆発した作品は、一般的なオタクのイメージを覆し、日本画のような余白と絵画の2次元性という強度を感じさせ、それが梅沢独自のアートへと昇華しているのです。今後どのようにメタモルフォーゼしていくのか、目が離せないアーティストといえるでしょう。 

今回挙げた若手アーティスト5名は、今後の更なる活躍が期待され、アートへの投資という意味でもとても魅力的でしょう。
将来、2019年現在の価格では購入できなくなっているアーティストも必ずいるはずです。
以上が2019年 注目のアーティスト5選でした。